パソコンが世に普及する前は、シミュレーションゲームと言えば、ボードゲームが一般的でした。

ボードゲームの最大の欠点は、基本的には一人では遊ぶことができないという事です。 また、紙の駒を紙製ボードの上で動かすので、駒が傷みやすく、また紛失しやすいという欠点がありました。

パソコン版シミュレーションの創世記

鎧兜 日本のパソコン向けシミュレーションゲームで、まず初めに取り上げなければならないのは「信長の野望」でしょう。 日本の各国武将が領地を広げるために戦いを繰り広げる16世紀中期の戦国時代が舞台となっています。

ゲームタイトルとなっている織田信長だけでなく、上杉謙信や伊達正宗、武田謙信など名武将がこのゲームでは登場します。 プレイヤーは信長となって日本の天下統一を目指して戦を繰り広げます。

このゲームが面白いのは、農民から年貢を取りすぎると一揆が起こったり、部下である家臣が謀反を起こすことです。 この演出がリアルさにつながったためか、信長の野望は日本で最も成功したパソコン用歴史シミュレーションゲームとなりました。

信長の野望が世に送り出されたのは1983年なのですが、それ以降、多くのパソコンや家庭用ゲーム機に移植が行われました。 現在はパソコン用としてはWindows版、そして家庭用ゲーム機としてはニンテンドー3DSやPlayStation Vista版で遊ぶことができます。

都市づくりの新ゲーム

シミュレーションというと戦争を題材に取り上げたものが多かったのですが、シムシティというゲームが登場してからは、シミュレーションに都市づくりというジャンルが確立しました。

シムシティが初めて発売をされたのは、今をさかのぼる事、約25年前の1989年です。 米国企業のマクシスが開発をして、日本のイマジニアというゲームソフト会社が日本向け商品の販売を行いました。 日本語対応されたシムシティにはPC-9800版、Windows 3.1版などがあります。

現在の最新シムシティは映像が3D化されていますが、初代シムシティはゲーム画面はトップビューで真上から都市を見た画面でした。 つまり、高低差という概念がないという事です。

ゲームマップ内に道路や鉄道を敷くと街が出来始めて、電線を敷いて電力を供給することで街や工業地帯が発展をします。 シムシティにはゲームの最終目的と言うものは存在しません。 基本的には、街に住む人の人口を増やすことが目的になりますが、プレイヤー独自に目標を設定して、それ目指して街づくりをすることもできます。

また、同じようなジャンルで「A列車で行こう」とう国産ゲームがあります。 こちらは1985年発売なのでシムシティより先に販売されています。 もしかしたらシムシティは、A列車で行こうの影響を受けて作られたのかもしれません。